レコード・・・久しく聴いていない。

昔、家にあったレコードの中で、ビートルズのラバーソウルがあって、それがとても好きでした。ビートルズの音って、レコードに合っている気がします。
多少スクラッチノイズがのっていようとも、レコードの音が彼らの音・・・であるような。

CDは規格上44.1KHz 16bitで記録しています。
これは、一秒間に4万4千回分の0~65535のデータを持っているということで、理論上CDで表現できる最高音は22.05KHzということになります。この22.05KHzという数字は、かなり高い音でして、人間の可聴域よりも 上です。「このくらいの音まで出せれば良いでしょう。十分十分」と いうことで、そんな規格になったのだと思います。

しかし、どうやら、可聴域よりも上の音域も「人間は感じている」とも 言われます。私、その辺りの生物学的な部分については、詳しくないですが、経験上ラバーソウルのレコードの「暖かさ」は今のCDでは 「ない」ので、それはあるだろうなぁ、と感覚的に思うのです。

もともと蓄音機以前の世界(一般的なクラシック音楽が生まれた時代)は、演奏を記録する術はなかった(*1)ので、基本的に音楽を聴くなら 生音でした。で、レコードが出来ました。1980年頃にはCDが出来て、 21世紀の今ではiPodで聴くようになったりと、音楽の聴かれ方も時代 とともに変遷してきています。

iPod、理論上音は「悪い」です。CDの44.1KHz16bitのデータをさらに 圧縮して、メモリーを有効活用しています。ですから、色々な部分を 端折っています。MP3の標準的なフォーマットでデータ量は10分1に なります。それでも悪く聴かせないのはすごいことですが、やっぱり MP3はMDよりマシとは言え、CDよりも音は劣っているという感じ。

というわけで、なんと時代とともに 生音→レコード→CD→iPodなんかのMP3等の圧縮されたフォーマット
と、時代とともに音は劣化しているわけです・・・。
これは悲しいことですが、まぁ、ネガティブになるのはやめておきましょう。

・生音
「楽器を買って自分で演奏するか、コンサート会場にいくしかなかった」
 ↓
・レコード
「大演奏家の演奏を家でも楽しめるようになった」
 ↓
・CD
「レコードに傷がつくことを心配しないでもすむようになった。」
 ↓
・iPod
「胸のポケットに入って持ち運べるようになった」
と、いい面もあります。
音の良さよりも、便利さを求めていたわけですねー。「消費者」は。

CDの上位規格としてSACDなんてのもありますし、レコーディング機材 では96KHz、32bitとCDよりもデータ量4倍のものもありますが、普及するんでしょうか?
どうも、現状、より良い音よりもiPodなんかの便利さ携帯性を追い求めているような気がします。。

でも、生音いいですよー。どんな楽器でも良いので、演奏してみましょう。 楽器がすぐそこで鳴っている(空気を振動させている)という感覚はやっぱり良いものです。


*1
あ、ピアノロールなんてものもありました・・・
レコード以前のピアニストの演奏もこれで残っていたりします。
ピアノ版のオルゴールみたいなものです。