ふだん、演劇を見る機会はあまりなくて、この前はかなり前に下北沢の本多劇場に見に行ったのですが、ちょっと劇団名を忘れてしまったほど。
お恥ずかしい。

で、今回は、キャラメルボックスの「シラノ・ド・ベルジュラック」です。
六本木の俳優座劇場で観てきました。

この、シラノ・ド・ベルジュラックという演目は古典中の古典で、「演劇会の独参湯(どくじんとう)」といわれていたそう。
独参湯とは、気付け薬のことです。演劇界に客が入らなくなっても、この演目を行うことでまた客足が戻るという、そんな長い人気を誇る演目。
コカ・コーラにとってのヨーヨーキャンペーンみたいなものですね。
(ちょっと違うかな。昔の話ね。)

で、現代日本に於いて、この演目が独参湯であるかというと、そういうわけではきっとない。
だけれども、「古典」ということで敢えて取り上げてみたらしいです。

私は上に書いたように、演劇に関しては疎いのですがね。
疎いなりに圧倒されましたよ。

主役であるシラノを演じる阿部丈二さん。
すごすぎます。
演技であれだけのことが表現できるのか!
と演劇に対する価値観の革命的転換・・・というと大袈裟なのだが、そんな気にさえなる。

生の迫力っていうのも、スゴイですね。役者が本当にすぐそこで演じている。
しかも、声は生。これは映画とかそういうメディアでは絶対に味わえない魅力。
阿部さんも他の方もそうなのだけど、演劇としての演技をされていて、それは生で演じるための演技なのだなぁ、と。
当たり前のことですけどね。そんなことを考えていました。

ヒロインの阿部哲子さんは元日本テレビアナウンサーで、今回はゲスト出演。
もーねー、ずっと見とれていましたよ。私は。
凄いなぁ。本職の女優じゃないはずなのに、スゴイ。
あの輝きは確かに誰からも慕われるヒロインのものでした。

こういう人たちは、舞台の上からこんなに光彩を放てるのね。いやはや。

そんなわけで、久々の「感激・・・いや観劇」だったのだけど、
私の場合は、ストーリー云々よりも、演劇というものの存在感に圧倒されていました。

本当はもっと細かいこと(音楽の使い方とか)を色々感じたので、そういうことも書きたいのですが、まぁ止めておきます。

ところでそもそも、なんでいきなり演劇を見に行ったかというと、この劇中に私の音楽が使われたことがきっかけです。
響きの地平線の「Dreaming」が、第4幕の終わりころに使われています。実際の演奏時間より長く、ループしています(笑)
結構重要な場面なので、聴いていて少し緊張してしまいましたよ・・・。

キャラメルボックスさん、光栄です。この場で失礼ですが御礼を申し上げます・・・。

シラノ・ド・ベルジュラックは東京公演があと少しで10日(日)まで。こちらはチケットの残りが少ないそう。
その後14日~17日まで新神戸オリエンタル劇場にて。こっちのチケットはまだまだあるようです。

http://www.caramelbox.com/stage/cyrano/

ところでね、キャラメルボックスは次の公演は年末の「サンタクロースが歌ってくれた」という演目なのですが、これは大阪、北九州、東京の3つの箱でやります。
東京公演の場合は場所が800人収容のサンシャイン劇場。期間はなんと約1ヶ月!!
すごいなぁ~~。

ささやかに、極めてささやかに、インデペンデントに興業を行っている私としては、もう尊敬の眼差しです。あぅ・・・。