トレイルランニングとはなにか?
主に山道や林道などの未舗装路を走ったり歩いたりするスポーツのことをいいます。
歴史自体浅く、日本よりも欧米で盛んですが、日本でもその競技人口が増えています。

スポーツとしての歴史は浅いかも知れません。
しかし、動物や人間にとって、未舗装路を走るという行為は本来とても自然なことのはずで、狩猟生活をしていたときは、恐らく幾晩も幾晩も山道を歩き続けたことがあったはずです。
それは、自然の中に分け入って生きるための糧を探さなければならないという、当時の生活のために必要なことでもありました。
現在では山道を歩く必然性は基本的にないはずですが、トレイルを走っていると、人間と自然との距離が近かった頃に思いをはせることができます。

トレイルランニングの第一人者、鏑木毅さんは、UTMB(ウルトラトレイル・ドゥ・モンブラン)という、恐らくトレイルランニングで最も有名なレースに出場したときに感じたことを、彼のホームページで書いています。


モンブランのレースで出会った人たちは、ごく自然な感じでトレイルを走っていたのが印象的でした。牧草地にのびやかに続く道、モンブランを見渡せる眺めの良い道、こんな道を進んでいるうちに、足は勝手に駆け出してしまい、そこには「トレイルランニングをしている」なんていう言葉はなく、走ることはごく自然な行為に思えます。「快適なトレイルを進む、気持ちよいから思わず走り出す、ちょっと疲れたのでまた歩く」そんな行為を別段、定義づける言葉はいらないと感じました。


私はこの文章がとても印象に残っています。

トレイルランニングという行為には、なにか説明するための特別言葉はいらないということでしょうか。
人間にとってこれはプリミティブな行為であり、自然と一体化するために自然の中に入っていく行為なのかもしれません。