小豆島ではDutch Pancake Campingに滞在した。

テントと寝袋でキャンプするのだ。
時期的にもう既に夏ではないので、キャンプをするのは良い季節だ。
とはいえ、一日目は「とてもよい天気」だったので、キャンプをするには「あまり良くない天気」である。
日が照りつけると暑くてテントの中にいることができない。



連休中だったので、主に関西方面からと思われる家族連れでかなり賑わっていた。ほとんどは、フェリーに乗ってキャンピング用品を積み込んだ車でやってきて、大型のテントとターフとバーベキューセットがあるリッチなキャンパーだ。私のようにテントを担いでやって来るキャンパーは他に2組程。リッチなキャンプが羨ましいなと思うのは、机と椅子があるところ。日が照って暑いときはターフも欲しい。残念なことに私のバックパックにはそれらを収納する余地は全くないし、両手を空けておきたいわけで、そこまで用意できない。椅子がないとどうなるかというと、座る場所がテントの中か、芝生の上になってしまう。これはあまり気分がよろしくない。キャンプ場に木製の椅子とテーブルでもあるといいのだが。だから、テントの入り口から頭だけだして外を眺める。隣の大阪から来た家族のご主人(リッチキャンパー)に「亀みたいですよ」とからかわれる。確かにそう見えたと思う。



Dutch Pancake Campingのご主人はオランダ出身の人。名前はミシェル。若い頃に5年程世界を旅行した。ニュージーランドで日本人の奥さんと出会い結婚。その後、小豆島を気に入り、奥さんはカフェをやりたくて、ミシェルはキャンプ場をやりたくて、今のようなカフェ+キャンプ場という形になった。日本に来てから11年経つとのこと。その割には日本語がたどたどしい。多少英語も交えて、話を伺う。このキャンプ場の施設は、全てミシェルが作ったそうだ。かなり本格的な施設だ。手作り感もある。それがとても良い。なんといっても立地が素晴らしい。オリーブ公園から更に山を登ったところにあり、徒歩で行くのは少々しんどいのだが、キャンプ場からは海が一望できる。後ろは深い山。夜は車の音もせず、虫の音が鳴っている。1日目はよく晴れていたので、星もよく見える。
蚊が心配だったので(以前フィンランドでとても酷い目にあった。とても恐れている)ミシェルに蚊取り線香を借りた。今年は蚊が少ないそうで、有り難いことにあまり活躍しなかった。

食事には困った。最近のキャンプは基本的に「車でやってくるキャンプ」だ。キャンプ場にいた子供に聞いたら、昼は海で釣りをして、夕飯はそれを焼いて食べるらしい。いいな。羨ましいな。「なんとかなるだろう」と思ってやってきたので、食料の用意が全くなかった。ミシェルに「食料品店に行きたいのだけど」と聞いたら「国道を東に4km行くとある」と言う。遠すぎる!!この近くのオリーブ公園の辺りは一応集落になっている。集落があれば小さな「よろず屋」くらいあっても良さそうなものだがそれがない。後で知ったのだが、ここから10km弱ほどにある、小豆島で一番大きい町、土庄(とのしょう)にはロードサイドビジネス的な大型の店舗が3軒ほどあった。つまり小豆島の住民は、車でそこまで行ってしまうのだ。小豆島の交通量は結構なもので、渋滞もあるらしい。ここも車社会なのだった。