2002年に帰国して以来しばらくハンガリーを訪れることが叶わず、結局3年後の2005年になってやっと行くことが出来た。
この時は「あぁ、なんてことだ。あれからもう3年も経ってしまった・・・」と思った。ハンガリーに住んでいたのは1998年から2002年までの3年9ヶ月なので、それに匹敵する時間ハンガリーに帰れなかったのが自分にとって驚きであり、そのような長い時間があっと言う間に過ぎ去ったのが信じられなかった。

その時は「またすぐ来ます」と言い残して日本に帰っていった気がするのだが、まさかさらにそこから9年もの歳月が過ぎ去るとは・・・。

なんだかんだ日本から出ることが億劫になっていたのかも知れない。仕事があるためなかなかまとまった休みが取れないという理由もあった。そもそもハンガリーだけでなく、9年間一切海外に出ることがなかったのだった。恐るべし、島国の引力!この国、日本はなんだかんだで居心地が良いし、普通に生活していると外国に行くようなきっかけが日常生活にポッと生じることはなかなかない(私の場合)ので、出る理由が生じなかったのだと思う。

ハンガリーにいた頃は、こうやって外国にいることがとても自然で意義のあることだと思っていたので、帰国したとしてもまた国境を越えて生きていくつもりでいた。私はこれからもこういう生き方をするだろう・・・と。ところが思った以上に根が生えてしまったのか、どっぷり日本に浸かっているような気がする。それはそれで良かったと思っているけれど。

とはいえ、そろそろ行かないと本当にきっかけがなくなってしまうだろうし、忘れられてしまうかも知れない。いや、もう忘れられているか・・・。というわけでさりげなくクリスマスカードなど昨年あたりから出して近況報告をしつつ「そろそろ行きたいです」などと意志を伝えていたのだった。そもそも2008年に離婚したことも、足を遠のかしていた理由だと思う。多くの出来事をここで「共有」していたので、そこに1人で行くということを上手くできるのか自信がなかった。もちろん旅をすること自体は何一つ問題はないのだが、気持ちの問題として。どうでも良いことかも知れないし、私自身気にしない方なのだが、それでもなんとなく行きづらいのだ。

やっと条件が揃ったのか、気持ちが切り替わったのか、とにかくハンガリーに行くことになった。