私の想像ですが「環境を保護しよう」という意識は、決して今に始まったことではなく、結構昔からあったかと思います。それこそ産業革命の頃・・・いやきっともっと昔から。古代の文明でも環境悪化で滅んだと思われる例は多々あるので、そこに生きた人は環境が悪化することを身をもって知り環境を守ろうとしたはずです。(そしてしばしばそれは手遅れでした)

今でこそ地球温暖化などという、結構スケールの大きな話になっていますが、身近なところで環境を痛めてしまえば自分たちの生活に直結します。木を切りすぎて不毛の地になってしまい、畑作も出来ず、また木で船を造ることが出来ないので魚が捕れず文明は衰退していった・・・、みたいな感じです。(これはイースター島の例です)

私は自然をそのままにして人の手を入れないでおくことが環境保護かと思っていました。確かに人の手を入れない部分を保っておくことはとても大事なことかもしれません。人が全く入らないことは、少なくとも大型の野生動物にとっては朗報ですから、そういった動物のサンクチュアリ・・・とでもいった地域があることはいいですね。

でも、必ずしも人の手が入らなければ良いかというと、そうではないと思います。
全国に植林された、杉林がいい例かと思います。木材価格の下落で杉が良い値段で売れず、したがって手入れができず暗くてやせ細った杉の森が至る所にあります。植林された針葉樹の山は土砂崩れしやすいようですし、花粉なんていうやっかいな問題もあります。一度手を入れた以上、それ以降、なんらかのメンテナンスは必要なのだと思います。

西伊豆古道再生プロジェクト」という運動をやっている人たちがいます。伊豆半島には結構使われなくなった山道があるようですが、使われなくなった道というのは例外なく荒れ果ててしまうものです。そのような道に手を入れて、再び山道として復活させようというわけです。

面白いのは、復活させた古道でトレッキングやトレイルランニング、マウンテンバイクなどのツアーなどを行っていることです。山でどんどん遊ぼうというわけです。都会から遊びに来て、古道で自然を感じて帰っていく・・・素晴らしいことだと思います。

都市近郊の山にはいると、こんな近くにこんな大きな森があったのか・・・と驚きます。普段都市に居ては感じることができない、都市を支えている自然のバックグラウンドを感じることができます。自然はそっとしておくだけでは勿体ない。もっとそんなかに入っていって、その恩恵にあずからなければ。そして、バランスを保って、環境がいつまでも良い状態でいてくれるように・・・。それこそが環境保護かと思います。